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2026.06.01 Update

正しさは守るものか、それとも使うものか―全体の幸せを考える組織であるために―

こんにちは。アーツネットウェーブの太郎良です。
  
正しさは守るものなのか、それとも使うものなのか。
この問いを、最近あらためて考えるようになりました。
 
正しさに従うことだけでなく、
正しさを「全体の幸せのために」どう使うかを、私たちは十分に考えているだろうか。
 
最近触れたある出来事をきっかけに、この問いがずっと頭から離れませんでした。
その出来事は、家庭内の問題が外部に伝わり、正しい手続きが取られた結果、
当事者だけでなく周囲にも影響が広がっていったものでした。
   
ルールの観点から見れば、対応は間違っていなかったのだと思います。
それでもどこかに違和感が残る。
正しさは守られたのに、全体としては誰も報われていないように見える。
この感覚をたどっていくと、一つの構造が見えてきます。
  
本来、ルールや正しさは、より良い判断をするための手段であるはずです。
しかしそれが、いつの間にか目的そのものになってしまうことがある。
  
「ルール通りにやったから問題ない」
その言葉で思考が止まった瞬間に、正しさは「考えるためのもの」から「考えなくて済む理由」へと変わってしまう。
 
そしてその先で、誰も判断していないのに物事が進み、誰も責任を負わないという状態が生まれる。
ここまでが、問題の本質だと感じています。
しかし、ここでさらに考えたいのは、なぜそのような状態になってしまうのか、という点です。
同じルールを使っていても、うまく機能する組織とそうでない組織があるのはなぜなのか。
その違いを決めているのは、おそらく
 
正しさそのものではなく、それが置かれている関係性
  
なのだと思います。
  
信頼関係がある組織では、ルールは柔軟に解釈され、問題は対話の中で調整されていきます。
一方で信頼が弱い状態では、ルールは画一的に適用され、
個別の関係性が考慮されることなく扱われてしまうことがある。
  
つまり
  
正しさの作用は、信頼によって大きく変わる
  
ここで初めて問いが次に進みます。
  
では、その信頼はどこから生まれるのか。
自然には生まれないものだとすれば、それは誰が担うのか。
そこで初めて、リーダーの問題に立ち返ることになります。
  
リーダーとは、正しさを押し付ける存在ではなく、
正しさが適切に機能する土壌をつくる存在なのだと思います。
そのために求められるのは、特別なスキルというよりも、ごく基本的な姿勢です。
 
どれだけ相手を尊重できているか。
そして、自分自身にどれだけ厳しい基準を課しているか。
相手を尊重することによって、人は安心して本音を出せるようになります。
その中で問題は小さなうちに共有され、対話の余地が残る。
  
一方で、自分に甘いリーダーの言う正しさは、誰からも信用されません。
自らが最も高い基準で行動しているときにだけ、その判断には重みが生まれる。
この二つが揃ったときに初めて、「正しさ」が信頼の上で機能するようになるのだと思います。
  
そう考えると、最初の問いにもう一度戻ることになります。
  
私たちは、正しさに従うことで満足していないだろうか。
その正しさを、何のために使っているのだろうか。
  
ルールやAIは、あくまで手段です。
それ自体が目的になった瞬間に、本来の意味は失われていく。
  
求められているのは、正しさを守る人ではなく、正しさを使う人なのではないでしょうか。
そしてその使い方とは、結局のところ、この問いに尽きるのだと思います。
 
この判断は、全体の幸せにつながっているだろうか。
 
その問いから目を逸らさず、考え続けること。
そして、その結果を引き受けること。
  
正しさは、守るだけのものではない。
それをどう使うかが、組織のあり方を決めるのだと思います。
  
それこそが、これからの組織に求められるリーダーの役割なのではないかと感じています。
  
          

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